名曲喫茶の記憶.6~鶴ヶ島編《お客様》
名曲喫茶のお客様は、音楽を好きな人、オーディオを趣味としている人の割合がやはり多いです。今回はそんなお客様の記憶です。
開店して間もない頃、初老のご夫婦がみえました。
ご自身もご自宅ではカデンツァ同様にタンノイのスピーカーをマッキントッシュの真空管アンプで鳴らしているのだけど、いわゆるヴィンテージ物で鳴らしているので、現代的なシステムで鳴らしているカデンツァの音が気になった、、、というような会話をされたと思います。
お話しを伺っているうちに、ぜひ一度聴きに来てくれないか、という事になり、私も嫌いではないので、お誘いをお受けし、後日開店前に図々しくもご自宅のある森林公園までお邪魔する事になりました。
お客様のシステムは、
スピーカーはミニオートグラフ(オリジナルサイズを一回り小さくした国産箱)にモニターゴールドを使用しています。
アンプはプリがC22、パワーがMC240、いずれもオリジナル。
CDプレイヤーがスチューダーのたぶんA730だったと思います。
アナログは無しです。(潔いです)
王道ですね。
オーディオのお仲間たちと音楽を聴いていくうちに、やはりこのシステムしかないという事になり、それまでのシステムをガラッと入れ替えたそうです。ミニオートグラフ(名前はミニだけどけっこう大きい)も、リスニングルームによくマッチしていました。
持参したCDを数枚聴かせていただきました。
繊細かつ重心が低く、音楽を音楽らしく聴かせてくれる、お客様の音楽への造詣を教えてくれるような素敵なシステムでした。
ある日、坂戸のEさんご夫妻がみえました。(わたしも以前は家内を誘って名曲喫茶やジャズ喫茶に行ったなぁ)
オーディオが趣味で、ジャズをマッキントッシュで聴いているとの事。
お客様と店主の関係で"あるある"なのですが、お互い初対面の時は、話ができる人なのかどうかがわからず、なかなか声をかけづらかったりします。(会話厳禁なんて謳っているから余計ですよね)
Eさんも私もたぶんそんな感じだったのですが、お話しさせていただくようになってから、本当に親しくお付き合いをさせていただきました。
そしてやはり、ご自宅にお邪魔することになりました。(笑)
今回はご要望もあり、カデンツァで使っているケーブルを引っこ抜いてEさんのシステムに付けて聴いてみようという事になりました。
Eさんのシステムは、もう記憶が定かではないのですが、(ごめんなさい)
アンプがマッキントッシュのプリ、パワー
CDプレーヤー、アナログプレーヤーがデノン
スピーカーがロジャース(もしくはARのカチッとしたブックシェルフタイプ)だったかな?
ジャズの熱量をしっかり伝えてくれる再生で数曲楽しませていただいた後、カデンツァから持ってきたケーブルを繋いで聴いてみました。
予想以上に変化しました。
かなり芯が太くなり、ウッドベースがブルンブルン、ピアノも鍵盤がコツコツ鳴ってます。
こんなにも変わってしまうとは・・・
Eさんは買う気満々になってしまったようで、奥様にちょっと申し訳ない気持ちで、Eさん宅を後にしたのでした。
Eさんからは、引っ越し祝いでトーレンスのスタビライザーをいただいたり、ラリーコリエルのCDもいただいたりしました。
土浦からドライブがてらいらして下さるAさん。(鶴ヶ島のカデンツァは駐車場がありました)
この方は小学生の頃からクラシック音楽を聴いていらっしゃるツワモノです。
オーディオも私などでは見たことも聞いたこともないような海外メーカーのもので揃えてらっしゃる。(携帯で写真を見せてもらうもよくわからない)
ある日、前述のEさんとAさんがカデンツァで鉢合わせしたのですが、Eさん御用達の水戸のオーディオショップの常連さんがAさんと分かり意気投合。
例のごとく、土浦のAさん宅にEさんご夫妻とお邪魔することになったのでした。
オーディオルームがもう凄いことになっていました。
たぶん私が知っているメーカーはひとつも無かった。(写真を撮りましたが、無許可なので残念ながら載せません)
音楽を良い音で聴くためなら、何でもやる。といった迫力です。
ソフトの数も夥しいのですが、いわゆる一般的に名演奏家といわれている演奏家ではなく、ご自身が聴いて判断されているライブラリーなので、知らない名前もポンポン飛び出します。
聴かせていただいた音楽は異次元の再生音でした。
古いモノラル録音のものでも、まるで実在感を伴ってそこに存在するような再生。
世の中にはすごい人がいるもんだなぁとつくづく感心させられた訪問でした。
Aさんは、本郷に引っ越した後も、思い出したようにカデンツァにいらしてくれて、ライブにも2回ほどいらして下さいました。
Eさんともどもまたお会いしたいお客様です。
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