名曲喫茶の記憶.7~鶴ヶ島編《お客様》
開店してしばらくした時だったか、ドアが開いたとたんビックリするお客様がみえました。
私が新卒で入社した当時の直属の上司、I課長でした。(わざわざ取手からいらして下さいました。)
その会社でI課長が転職されるまで4年間ほど本当にお世話になりました。
私は経理部だったのですが、その頃はまだパソコンなどというものはなく、配属初日、机の上にはそろばんが置かれていたような時代です。
I課長は新入社員研修の講師で来られた時に初めてお顔を拝見したのですが、眼鏡の奥に神経質そうな目が光っている、いかにも経理マンという見た目の方でした。
でも、実際配属されてみると、その印象とは裏腹になかなか温かく、思いやりのある上司だったのです。。
入社半年くらい経った頃、月末残業の忙しい時、どうしても聴きたいコンサート※があり、まだ学生気分の抜けなかった私が課長に相談したら、他の課員には絶対理由は言わないように、、、と釘を刺しつつ、課員には課長が上手く繕ってくれて残業させずに帰宅させてくれた事もありました。(その後、これは絶対やってはいけない事だったと理解できましたが・・・)
※1984年8月31日 山下和仁&ラリーコリエル「四季」五反田簡易保険ホール
大学を卒業、初めて社会という場に出て、経理実務や銀行取引などはもとより、社会人としての"いろは"を一から教えていただき、休みの日には潮干狩りやゴルフなどにもご一緒させていただいた恩人です。
まさか、カデンツァにいらしていただけるとは思ってもいませんでしたが、フルトヴェングラーのレコードを開店祝いに持ってきていただき(クラシックは聴かないのになぜかご自宅にあったらしい、課長はもちろんフルトヴェングラーは知らない)、
懐かしい話や、当時の同僚、先輩社員の知り得る近況などを話されて帰られました。
当時は新卒だった私も今年ではや還暦。
でも、卵から生まれた雛が初めて見たものを親と思うように、いつまで経っても課長は課長ですね。
私の結婚式のビデオにもしっかり映っています。
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