cadenza

記事一覧(328)

名曲喫茶の記憶.9~《わかば大学塾》

以前のブログでちらっと名前が出てきた地域福祉市民活動《わかば風の会》ですが、代表のYさんにはたいへんお世話になりました。Yさんは、その立場から地域にクラシック音楽の文化を根付かせたいとの思いや、カデンツァの集客をとても気にしていただき、「今度、鶴ヶ島市の市民大学講座《わかば大学塾》を企画するから、講座を設けてはどう?」と紹介してくれたのでした。私は、好きで音楽を聴いてきただけで、特別な教育も受けてきたわけではないし、私より詳しい人はたくさんいる、との思いがありかなり悩んだのですが、思い切って申し込んでみることにしました。市民大学講座なので、原則としてテキスト代を除き会費は無料、場所も公民館などを借りる、という事だったのですが、聴くためのオーディオ設置の問題もあり、場所をカデンツァにして、なおかつ、ドリンク代程度なら、という事で毎回の参加費(500円)をいただく事も認められました。毎月1回を半年間で一期でしたので計6回の講座です。まずは時代を代表する作曲家の音楽をなるべくたくさん聴いてほしいと思ったので以下のタイトルでテキストを作りました。間違いを教えてはいけないので、私自身かなり力を入れていろいろ調べながらテキストを作りました。これはいい勉強になりました。2月14日(日) クラシック音楽の変遷3月14日(日) バロック時代の音楽 4月11日(日) 古典派の音楽 5月 9日(日) ロマン派の音楽 Ⅰ6月13日(日) ロマン派の音楽 Ⅱ 7月11日(日) 近代から現代の音楽

名曲喫茶の記憶.7~鶴ヶ島編《お客様》

開店してしばらくした時だったか、ドアが開いたとたんビックリするお客様がみえました。私が新卒で入社した当時の直属の上司、I課長でした。(わざわざ取手からいらして下さいました。)その会社でI課長が転職されるまで4年間ほど本当にお世話になりました。私は経理部だったのですが、その頃はまだパソコンなどというものはなく、配属初日、机の上にはそろばんが置かれていたような時代です。I課長は新入社員研修の講師で来られた時に初めてお顔を拝見したのですが、眼鏡の奥に神経質そうな目が光っている、いかにも経理マンという見た目の方でした。でも、実際配属されてみると、その印象とは裏腹になかなか温かく、思いやりのある上司だったのです。。入社半年くらい経った頃、月末残業の忙しい時、どうしても聴きたいコンサート※があり、まだ学生気分の抜けなかった私が課長に相談したら、他の課員には絶対理由は言わないように、、、と釘を刺しつつ、課員には課長が上手く繕ってくれて残業させずに帰宅させてくれた事もありました。(その後、これは絶対やってはいけない事だったと理解できましたが・・・)※1984年8月31日 山下和仁&ラリーコリエル「四季」五反田簡易保険ホール大学を卒業、初めて社会という場に出て、経理実務や銀行取引などはもとより、社会人としての"いろは"を一から教えていただき、休みの日には潮干狩りやゴルフなどにもご一緒させていただいた恩人です。まさか、カデンツァにいらしていただけるとは思ってもいませんでしたが、フルトヴェングラーのレコードを開店祝いに持ってきていただき(クラシックは聴かないのになぜかご自宅にあったらしい、課長はもちろんフルトヴェングラーは知らない)、

名曲喫茶の記憶.6~鶴ヶ島編《お客様》

名曲喫茶のお客様は、音楽を好きな人、オーディオを趣味としている人の割合がやはり多いです。今回はそんなお客様の記憶です。開店して間もない頃、初老のご夫婦がみえました。ご自身もご自宅ではカデンツァ同様にタンノイのスピーカーをマッキントッシュの真空管アンプで鳴らしているのだけど、いわゆるヴィンテージ物で鳴らしているので、現代的なシステムで鳴らしているカデンツァの音が気になった、、、というような会話をされたと思います。お話しを伺っているうちに、ぜひ一度聴きに来てくれないか、という事になり、私も嫌いではないので、お誘いをお受けし、後日開店前に図々しくもご自宅のある森林公園までお邪魔する事になりました。お客様のシステムは、スピーカーはミニオートグラフ(オリジナルサイズを一回り小さくした国産箱)にモニターゴールドを使用しています。アンプはプリがC22、パワーがMC240、いずれもオリジナル。CDプレイヤーがスチューダーのたぶんA730だったと思います。アナログは無しです。(潔いです)王道ですね。オーディオのお仲間たちと音楽を聴いていくうちに、やはりこのシステムしかないという事になり、それまでのシステムをガラッと入れ替えたそうです。ミニオートグラフ(名前はミニだけどけっこう大きい)も、リスニングルームによくマッチしていました。持参したCDを数枚聴かせていただきました。繊細かつ重心が低く、音楽を音楽らしく聴かせてくれる、お客様の音楽への造詣を教えてくれるような素敵なシステムでした。

名曲喫茶の記憶2~鶴ヶ島編《韓国パブで熱唱♪》

これは知る人ぞ知るエピソードなのですが、2009年2月28日に向けて開店の準備をおもに昼間にしていたのですが、その日は夜まで準備がかかってしまいました。すると、なんとお隣の韓国パブさんから大音響でカラオケが聴こえてきたのです。♪みちのく~ひとり旅~♪ そしてヤンヤの歓声、、、、今度は"北国の春"が聴こえてきました。確か、この物件は防音がしてある、、と掲載されていたはずなのですが・・・(冷静に建物の外見(なかなかにオンボロ)を見れば、まずはそこを最初にチェックだろ、、自戒)その後、家主と協議を進めるも、ラチがあかず、開店日にも間に合わせたいのでこちらで防音工事をする事に。そして、楽器店に防音工事を依頼し、後日、業者の方が調査に来てくれたのですが、営業の時と同じように音を出してもらわないと調査できませんね、という事になり(まぁ当然ですね)、準備中のパブに事情を説明しにお邪魔しました。まぁ気のいいママさんで、「ボリュームは気をつけてるんだけど、盛り上がるとお客さんが勝手にあげちゃうんだよねぇ」とか言いつつ、カラオケの音を出してもらえる事にはなりました。でも歌ってもらわないと騒音レベルは測れないので頼んでみたところ、ママさんには「アタシは歌うのイヤだよ」と言われ、ホステスさんも時間外労働はしてくれず、しようがなく私が歌う事に・・・店内は、中央に円形のカウンターがあり、その奥に立派なステージがあります。そのステージの背中の壁の向こうが当店という状況です。私はステージに立ち、「それじゃ、沢田研二の"勝手にしやがれ"をお願いします。」といってフルコーラスを、ママさんやホステスさんがいる中、素面で歌わせていただきました。測定のためなるべく大きな声で歌わせていただきました。泣笑ちなみに沢田研二は"ダーリング"や"危険な二人"もレパートリーです。まばらな拍手の中、お店を後にし、わが店に戻ったところ、「無事測定できました」という業者さんの声。ホッ・・・